【スーパー登山部】「頂上に着きたい」と思っていたのに、最後には「まだ続いてほしい」と思っていた。

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MUSIC / DISCOVERY

「頂上に着きたい」と思っていたのに、
最後には「まだ続いてほしい」と思っていた。

最近、「スーパー登山部」というバンドに出会った。
名前だけ聞けば、山をテーマにした音楽なのかなと思う。
でも、知れば知るほど、どうやらそれだけではないらしい。

「山 × 音楽」
その言葉だけでは、このバンドの魅力を説明しきれない。

彼らは本当に山に登り、楽器を自分たちで担ぎ、
同じ景色を見て、同じ疲れを感じ、
その体験を音楽にしている。

そして、その音楽を聴いていると、
いつの間にか「山の話」が「自分の人生の話」に変わっていく。

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スーパー登山部って、どんなバンド?

スーパー登山部は、2023年に結成された5人組のバンド。
キーボードの小田智之さんが登山好きだったことをきっかけに、メンバーみんなで山に登るようになった。

面白いのは、最初から全員が登山好きだったわけではないこと。

むしろ、
「登山が趣味の人が集まってバンドを作った」わけではない。

バンドを組んで、
「スーパー登山部」という名前になって、
「じゃあ、みんなで登ってみよう」となった。

そこから、登山が5人の共通の趣味になっていった。

「山をテーマにしたバンド」ではない。

ここが、スーパー登山部の面白いところだと思う。

普通なら、

山をテーマに曲を作る。

山でMVを撮る。

山でライブをする。

そんな「山をコンセプトにしたバンド」を想像する。

でも、スーパー登山部は少し違う。

本当に山に登っている。

楽器を自分たちで背負って、
山を歩いて、
同じ景色を見て、
同じ疲労を感じて、
その場所で音を鳴らす。

北アルプス・白馬岳の標高2,832mにある白馬山荘でもライブを行っている。

「山でライブをする」のではなく、
「音楽を山まで自分たちの足で運ぶ」。

この違いは、かなり大きい。

RECOMMEND SONG

「頂き」

そんなスーパー登山部を知って、最初に聴いてほしい曲が 「頂き」

この曲は、登山の歌として聴いてもいい。
でも、人生の歌として聴くと、急に自分の話になる。

「頂きと思って近付くと
道まだ続くと気付いて嫌になる」

登山をしていると、
「あそこが頂上だ」と思って歩いていたのに、
そこまで行ったら、さらに先に道が続いている。

いわゆる「偽ピーク」

これは登山をしたことがある人なら、かなり辛い瞬間だと思う。

でも、人生も同じなのかもしれない。

「この仕事ができるようになれば」
「この目標を達成すれば」
「ここまで頑張れば」
「この人と付き合えたら」
「お金が貯まったら」

そうやって、人生には何度も「頂き」を作ってしまう。

そして、そこにたどり着いたら、
また次の目標が現れる。

でも、この曲は最後に考え方が変わる。

最初は、

「道がまだ続くのが嫌だ」

だったのに、最後には、

「道がまだ続くことに、ほっとする」

というところまで変わっていく。

「頂きと思って近付くと
道まだ続くと気付いてほっとする」

ここが、この曲の一番好きなところ。

「頂上がゴールじゃない」と言うのではなく、
「ゴールじゃないことに安心する」。

これって、かなり優しい考え方だと思う。

人生は、ずっと「途中」でいい。

目標を達成したら終わり。
成功したら幸せ。
頂上に着いたら人生は完成。

そんなふうに考えてしまうことがある。

でも、スーパー登山部の「頂き」を聴いていると、
もしかしたら逆なのかもしれないと思えてくる。

頂上に着かないからこそ、まだ歩ける。

まだ景色を見ることができる。
まだ誰かと話すことができる。
まだ知らない場所へ行ける。
まだ夢を見ることができる。

そして曲の最後には、
「また夢を始めよう」
というところへたどり着く。

頂きに着いて終わるんじゃない。
また、そこから始まる。

そして、この曲を知るほど「5人」にも惹かれていく。

スーパー登山部の魅力は、曲だけではない。

5人は実際に山を登る。
楽器を担いで。

山では、誰かだけが先に行くのではなく、
休憩したり、
ご飯を食べたり、
景色を見たりしながら進んでいく。

その時間を5人で共有する。

同じ景色を見た5人が、同じ場所で音を鳴らす。

だから彼らの音楽には、
「山をイメージして作った音楽」とは違う何かがある。

山で感じた風。
足元の砂利。
朝の光。
星空。
疲れ。
そして、誰かと一緒に歩いた時間。

そういうものが、音楽の中に少しずつ溶け込んでいる。

「頂き」だけじゃない。

もう一曲、気になったら聴いてほしいのが 「樹海 feat. TENDRE」

「樹海」という言葉から想像するのは、
深い森や、迷い込んだような景色かもしれない。

でも、この曲は単純な「自然の歌」ではない。

山や自然の風景から、
自分自身の記憶や感情へと世界が広がっていく。

スーパー登山部の音楽は、
山を歌っているのに、最後には自分の人生を歌っているように聴こえる。

WHY I LIKE SUPER CLIMBING CLUB

「頂き」を目指しているのに、 「頂き」だけを見ていない。

これがスーパー登山部の一番好きなところかもしれない。

頂上を目指す。
でも途中の景色も見る。

早く登ることだけを考えない。
疲れたら休む。

一人で頂上を目指すのではなく、
5人で同じ景色を見る。

そして、頂上に着いても、
「終わった」ではなく、
「また夢を始めよう」と思える。

もし今、
「もっと頑張らなきゃ」と思っている人がいたら。

もし、
「早くどこかにたどり着かなきゃ」と焦っている人がいたら。

一度、「頂き」を聴いてみてほしい。

もしかしたら、
今まで「遠回り」だと思っていた道が、
少しだけ違って見えるかもしれない。

人生は、まだ頂きの途中。

だからこそ、まだ面白い。

スーパー登山部

山と音楽を行き来しながら活動する5人組バンド。
「頂き」「樹海 feat. TENDRE」など、山での体験や自然から生まれた音楽を届けている。

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